Cherry MXキーキャップの選び方|互換性・日本語配列・交換の注意点

Cherry MXキーキャップの選び方|互換性・日本語配列・交換の注意点

Cherry MXのキーキャップを選ぶなら、最初に見るのは対応スイッチ・配列・キーのサイズです。「Cherry MX互換」と書かれていても、Enterやスペースキーまで手持ちのキーボードに合うとは限りません。適合するセットを絞ってから、素材や形状、色を選びましょう。

テカリにくさを重視するならPBT、軽さや発色を重視するならABSが選択肢になります。また、「Cherry MX互換」と「Cherryプロファイル」は別の意味。この記事では、この違いから日本語配列用セットの比較、交換時に気をつけたい長いキーの扱いまで、順に説明します。

この記事のポイント
  • Cherry MX互換とCherryプロファイルの違い
  • 日本語配列・長いキー・最下段の適合条件
  • 素材・印字・バックライト透過による選び分け
  • フルセットの購入候補と専用工具での交換
目次

Cherry MXキーキャップの互換性と選び方

Cherry MX互換とは?十字軸への適合が出発点

Cherry MX互換とは?十字軸への適合が出発点

キーキャップは、キースイッチに取り付ける、指が直接触れるキャップです。一方、Cherry MXはCHERRY社のメカニカルキースイッチ。「Cherry MX互換キーキャップ」は、そのスイッチに合うように作られたキーキャップを指します。

取り付け部分の特徴は、キーキャップ裏面の中心にある十字形の穴。スイッチ側の十字形の軸に取り付ける構造です。商品説明の「MX対応」「MXスタイル」といった表記は、まずこの取り付け部分の適合を判断する手がかりになります。

ただし、軸への適合だけでキーボード全体の交換を決めることはできません。Keychronの互換性ガイドも、取り付け部分に加えて、配列と個々のキーサイズを確認事項に挙げています。特に最下段のCtrl・Alt・スペースキーは、機種によってサイズが異なる部分です。

また、TopreやAlpsなど独自の軸形状を使うスイッチは、専用のキーキャップが必要です。Keychronのロープロファイルモデルについても、メーカーはそのスイッチ向けのキーキャップを選ぶよう案内しています。

「交換できるキーボード」という情報だけで判断せず、手持ちの機種が採用するスイッチと、交換品の対応条件を照合してください。

日本語配列はEnter・スペース・最下段まで照合する

日本語配列用のキーキャップを探すときは、「JIS配列対応」という表示に加えて、セットに含まれるキーの一覧を見るのが基本です。日本語配列には、英語配列にない半角/全角・無変換・変換などのキーがあり、Enterやスペースキーの形・大きさも違います。

照合する場所日本語配列と英語配列の主な違い・見るポイント
Enter日本語配列は逆L字型、US英語配列は横長
スペースキー周辺日本語配列には無変換・変換などがあり、英語配列とはスペースキーの大きさが異なる
Backspace・右Shift英語配列のほうが大きいなど、配列によるサイズの違いがある
最下段のCtrl・Altなど配列だけでなく、機種によるサイズの違いにも注意
コンパクト機種の特殊キー商品の対応図と照合し、必要なサイズがセットに含まれるかを見る

フルサイズ、テンキーレス、コンパクトといったキーボードの違いも関係します。コンパクト機種では特殊なサイズのShiftやEnterを使う場合があるため、「キー数が多いセットなら足りる」とは判断できません。必要なのは、交換する位置に合う形とサイズのキーが含まれていることです。

もう一つ分けて考えたいのが、かな印字の有無。日本語配列でも、かなを印字せず英字や記号だけを載せたキーキャップがあります。英字だけの見た目を希望する場合も、「英語配列用」に検索条件を変えるのではなく、日本語配列・かな印字なしを探すと目的に合います。

なお、キャップに書かれた文字と、実際に入力される文字は別の要素です。入力される文字を決める論理配列は、パソコンやキーボードのファームウェア側で扱われます。

見た目を変えるためのキーキャップ選びと、入力設定の変更は分けて考えましょう。

Cherryプロファイルは形状の名前|高さと列ごとの傾きを見る

Cherryプロファイルは形状の名前|高さと列ごとの傾きを見る

「Cherry MX互換」が取り付け部分の話なのに対し、Cherryプロファイルはキーキャップの形状の名前です。プロファイルは、指に触れる天面の形、高さ、傾きなどをまとめたもの。MX対応のキーキャップにも、OEMやDSAなど、別のプロファイルがあります。

プロファイル主な形状の特徴
OEMメカニカルキーボードで一般的。列ごとに高さ・角度が異なり、メーカーなどによって高さに多少の違いがある
CherryOEMを低くしたような形状。丸みの少ない、エッジの立ったデザインで、列ごとに高さ・角度が異なる
DSA各列の高さが同じで、キーボード全体がフラットになる形状

低めの形状を探すならCherry、各列の高さをそろえたいならDSAという方向で候補を絞れます。ただし、形状によって指の触れ方や打鍵感は変わります。名前だけで選ばず、横から見た写真や高さの説明も見ると、現在のキーキャップとの違いが分かります。

列ごとに高さや角度が異なるプロファイルでは、文字や横幅が合うことに加えて、使う列の形状も大切です。特に一部だけ交換する場合は、隣のキーとの高さの違いを見ておきたいところ。同じMX対応でも、異なるプロファイルを混ぜると打鍵感が変わることがあります。

PBTとABSはテカリにくさ・軽さ・発色で選ぶ

日常的に触れる部分だからこそ、素材も選びたいポイントです。メカニカルキーボードのキーキャップでは、PBTとABSが多く使われています。アーキサイトの解説では、PBTは硬く重い素材で耐摩耗性に優れ、長期間使っても摩耗やテカリが少ないとされています。

ABSは成形しやすく、軽くて発色がよい素材です。一方、長期間の使用で摩耗し、テカることがあります。使い込んだときの表面の変化が気になるならPBT、軽さや色の表現を重視するならABSという選び方になります。

比較する点PBTABS
素材の特徴硬く重い軽く、成形しやすい
長期間の使用摩耗・テカリが少ない摩耗してテカることがある
選ぶときの着眼点表面の摩耗やテカリにくさ軽さや発色のよさ

ただし、素材名だけで打鍵感は決まりません。同じ高さや形状でも、素材の硬さ・重さによって感触が変わり、キーキャップの厚みも影響します。今の感触に近づけたいなら、PBTかABSかだけでなく、プロファイルと厚みも合わせて比較するのがよいでしょう。

文字の消えにくさは、次に説明する印字方法の項目です。PBTには熱を使う昇華印刷が採用されることが多いものの、「PBT製」という表示だけで印字方法まで決まるわけではありません。素材と印字を別々に読むと、欲しい条件を取り違えずに選べます。

Cherry MXキーキャップの購入候補と交換時の注意点

昇華印刷・ダブルショットとバックライト透過を分けて選ぶ

文字の消えにくさを重視するなら、昇華印刷とダブルショットが代表的な選択肢です。昇華印刷は、熱を利用して染料をキーキャップの樹脂に浸透させる方式。表面に載せるだけの印字とは異なり、文字が消えにくいのが特徴です。

ダブルショットは2色成形のこと。異なる色の樹脂を組み合わせて文字を表現するため、厳密には印刷ではありません。文字そのものが樹脂でできており、摩耗によって印字が消えない方式です。

ここで気をつけたいのが、ダブルショットでも、必ずバックライトが透けるわけではないことです。2色成形では透明な樹脂を使って文字部分を透過させることもできますが、製品によって仕様が異なります。

実際に、KeychronのJIS用Double Shot PBT OSAフルセットは、バックライト非透過と明記されています。

一方、CORSAIRの日本語配列PBT DOUBLE-SHOT PROは、国内製品案内でRGB LEDを透過する仕様とされています。光る文字を残したい人は「PBT」「ダブルショット」という表記だけで選ばず、バックライト透過の項目まで見ましょう。印字の耐久性と、光の見え方は別の選択基準です。

日本語配列のフルセット候補は対応条件と透過仕様で比較する

日本語配列のフルセット候補は対応条件と透過仕様で比較する

全体の色や素材をそろえて交換したい場合は、フルセットが候補になります。ここでは、日本語配列向けに仕様を確認できるCORSAIRとKeychronのセットを比較します。どちらもPBTのダブルショットですが、バックライトと適合条件が違います。

比較項目CORSAIR PBT DOUBLE-SHOT PRO オニキスブラック(JP)Keychron Double Shot PBT OSAキーキャップ・フルセットのJIS用
識別情報CH-9911060-JPJIS用145キーセット
素材・印字PBT・ダブルショットPBT・ダブルショット
キーキャップ数108145
厚み1.5mm1.3mm
バックライトRGB LED透過非透過
形状この比較ではプロファイル名を確定せずOSA。OEMに近い高さで、SAのような形
主な適合条件メーカーは標準的な最下段レイアウトを条件に案内。日本語配列と機種の対応確認が必要JIS配列の対象Keychronシリーズ。ロープロファイルを除き、仕様欄ではK2・K4も非対応

PBT DOUBLE-SHOT PRO キーキャップ Mod キット — オニキスブラック (JP)は、光る文字を残したい場合に検討できるセットです。表面にテクスチャ加工があり、キー引き抜き工具とOリングも付属します。国内案内では日本語配列・かな印字なし。

かなを見ながら入力したい人は、この点にも注意してください。

楽デスク

CORSAIR PBT DOUBLE-SHOT PRO キーキャップ Mod キット — オニキスブラック (JP) CH-9911060-JP を探す

CORSAIRのメーカー案内では、標準的な最下段レイアウトとMXスタイルのスイッチ・スタビライザーを持つキーボードが対象です。ただし、国内代理店の対応表は2021年4月時点のモデルを示し、掲載対象外では一部Fnキーなどのレイアウトが異なる旨も記載しています。

汎用の互換性説明だけでJP版の全キー適合を保証せず、購入する配列と正確な機種を照合しましょう。2026年10月14日時点では、メーカーのオニキスブラックJPページは在庫切れ表示です。

Keychron Double Shot PBT OSAキーキャップ・フルセットのJIS用は、バックライト透過を必要とせず、OSAの形状を選びたい人向けの候補です。

販売ページはJIS配列のK・K Pro・V・V Max・Q・Q Pro・Q Maxシリーズを挙げていますが、仕様欄ではKシリーズのK2・K4を非対応としています。本文の広いシリーズ表記だけを見ず、この除外条件とロープロファイル非対応を優先して確認してください。

楽デスク

Keychron Keychron Double Shot PBT OSAキーキャップ・フルセット を探す

145キーという数は、さまざまなキーを含むセットの内容数です。108キーのセットより、どのキーボードにも広く適合すると判断する根拠にはなりません。比較表では、まずバックライトの使い方で方向を決め、次に手持ちの機種の対応条件を見てください。

一部だけ交換するなら色・キー位置・高さの組み合わせを選ぶ

キーボード全体の雰囲気を変えたいならフルセット、よく使うキーを目立たせたいなら一部交換という選び方もあります。WASDや矢印キーの色・形を変えると、視認性を上げられます。デスクの色に合わせるだけでなく、どのキーを見つけやすくしたいかを出発点にすると、交換する場所が決まります。

一部交換用セットの具体例には、ARCHISSの「PBTカラーアクセサリーキーキャップ」があります。矢印・ESC・WASDなど用途ごとに分かれた製品ですが、メーカーでは販売終了と案内されています。現在買える定番品として扱わず、一部交換用セットの構成や対応表を見る例として参照してください。

この製品の対応表では、「サイズ・高さともに互換」と「サイズは互換だが標準キーキャップと高さが異なる」を区別しています。一部だけ交換するときは、こうした違いが特に大切です。軸に取り付けられるかだけでなく、隣のキーとの高さや、使う列の傾きも見て選びましょう。

また、このARCHISS製品はCHERRY MX Low Profileスイッチに非対応で、LEDバックライト搭載機ではキーキャップとLEDがぶつかる可能性があるため、メーカーは使用を控えるよう案内しています。この制限は当該製品のものです。

ほかの一部交換用キーキャップも、色や対応軸だけで選ばず、製品ごとの除外条件まで読んでください。

交換は専用工具で|スペースなど長いキーは機種の構造を確認

交換は専用工具で|スペースなど長いキーは機種の構造を確認

取り外しにはキーキャップ用の引き抜き工具を使います。アーキサイトは、余計な力をかけたり専用工具以外で外したりすると、キーキャップの傷・破損や、キースイッチの破損につながる恐れがあると注意しています。交換品のセットに工具が含まれている場合は、その取り付け案内に沿って作業しましょう。

CORSAIRのPBT DOUBLE-SHOT PRO公式取り付けガイドは、作業前にキーボードの写真を撮っておくことを勧めています。戻す位置を写真で見られるようにしてから、付属工具でキーキャップを外し、新しいキーキャップを取り付ける流れです。

Oリングの取り付けは任意で、打鍵音を和らげたい場合の選択肢として案内されています。

  1. 交換前のキーボードを撮影し、キーの配置を残す
  2. 対象キーボードと交換品の案内に従い、キーキャップ用工具で取り外す
  3. CORSAIR PBT DOUBLE-SHOT PROでOリングを使う場合は、公式案内に従ってキーキャップ底面へ取り付ける
  4. 新しいキーキャップを、対応する位置へ取り付ける

この流れを、すべての長いキーに同じ外し方で当てはめないことも大切です。スペースなどの大型キーには、スイッチ以外にスタビライザーの固定部品が関係する場合があります。アーキサイトは、CHERRYタイプ以外の針金状の部品を使う機種もあり、取り外す際に固定部品を破損しないよう注意するよう案内しています。

長いキーの構造が分からない場合は、キーボードメーカーの説明書やサポートでスタビライザーの仕様を確認してください。通常の文字キー用の手順を、スペース・Enter・Shiftへそのまま広げないようにします。

ノートパソコンやパンタグラフ式も、メカニカルキーボード用工具を同じ感覚で使える対象とは考えないでください。

見た目を変える楽しさは、キーキャップ交換の魅力です。購入前に軸・配列・サイズを合わせ、交換時には対象機種の構造に合う工具と手順を使う。

この順番を守って、好みの素材や色、形状を選んでいきましょう。

Cherry MXキーキャップの選び方まとめ

この記事のまとめです。

  • Cherry MX互換は、十字形の軸に合う取り付け部分を持つキーキャップを指します。
  • 軸が合っても全キーの交換が可能とは限らず、配列と個々のキーサイズを照合する必要があります。
  • 日本語配列ではEnter・スペース・変換キー周辺を確認し、かな印字なしと英語配列を区別します。
  • Cherryプロファイルは形状の名前です。高さや列ごとの傾きを見て選びます。
  • テカリにくさを重視するならPBT、軽さや発色を重視するならABSが候補になります。
  • 打鍵感には素材だけでなく厚みや形状も関係し、印字の耐久性は印字方法で比較します。
  • ダブルショットでもバックライト非透過の製品があり、透過仕様は個別に確認します。
  • CORSAIRのオニキスブラックJPは108キーの透過型セットです。標準的な最下段などの適合条件があり、2026年10月14日時点のメーカー表示は在庫切れです。
  • KeychronのJIS用OSAセットは145キー・バックライト非透過。ロープロファイル非対応で、販売ページの仕様欄はK2・K4も対象外としています。
  • 一部交換では色だけでなく隣のキーとの高さも確認し、販売終了品を現行の定番候補として扱わないようにします。
  • 交換は専用工具を使い、長いキーはスタビライザーの構造を確認して対象機種の案内に従います。
参考にした情報
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして、パソコです。
デスクワーク歴20年、肩こり・腰痛に悩んでデスク環境を整え始めて10年、今ではデスク周りすべてが趣味になっている40代の在宅ワーカーです。
「自分にぴったりの一台・一脚」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

目次